朱雀ちゃんは、12月31日の大晦日に捕獲されました。
春夏には観光客で賑わうけれど、冬は殆ど人も訪れないような南房総の海沿いの地域に
もう1匹の秋田犬と一緒に捨てられたと思われます。
もう1匹の秋田犬もメスで、朱雀ちゃんより少し年上です。
身体は小柄な朱雀ちゃんより一回りほど大きいですが、
毛質や模様がとても良く似ているうえ、
朱雀ちゃんがこのもう1匹をとても頼りにしている様子から
この2匹は母娘ではないかと推測しています。
朱雀ちゃん母娘は年末の捕獲だったために収容期間が長く、
1月16日まで支所に居ました。
迎えに来てくれる人などいるはずもなく、
その翌日の1月17日に本所(富里)に移送されました。
(首輪も何もない秋田犬2匹が冬の海岸沿いを歩いているわけはなく・・・
捨てられたのだからお迎えがあるわけないですね)
移送後、4日目の部屋に入れてもらった朱雀ちゃん母娘に私が会いに行ったのは
それから1週間後、1月24日のことです。
以前のブログにも書きましたが、その時の朱雀ちゃんは
恐怖からあたりかまわず吠えていました。
殆ど目が見えていなかったと思われ、何か音がするたびに
その方向に狂ったように吠え続けていました。
(朱雀ちゃんは吠えながらウロウロと逃げるだけで狂暴性はなく、
リードをつけて安心させると少し落ち着きました)
そんな朱雀ちゃんにそっと寄り添っていたのがお母さん犬です。

お母さんはその時からとても穏やかで、
センターの職員さんも全く吠えないとおっしゃっていましたし
職員さんや私たちに撫でられてもおとなしく従順でした。

朱雀ちゃんはお母さん犬と一緒に居たからこそ、
かろうじて精神的な安定を保っていたように思います。
この時、私は朱雀ちゃんが今のように陽気で明るい性格だとは解っていませんでした。
我家でお預かりしたら、新しい生活に馴れるまで吠えるだろうし、
臆病な性格なので吠えの矯正に時間がかかるかも・・・と覚悟していたほどです。
※ちなみに・・・朱雀ちゃんを我が家でお預かりして今日で1週間になりますが、ただの一度も吠えていません。
朱雀ちゃんたち母娘は、その後すぐに4日目のお部屋から譲渡室に移していただきました。
そして、下痢や眼の治療などしてもらって朱雀ちゃんもだいぶ落ち着きました。
(親子共に水下痢と食欲不振で・・・パルボチェック(陰性でした)や抗生物質の注射、
輸液など手厚くお世話してもらいました)
私が次に朱雀ちゃんたち母娘に会ったのは、その5日後の1月29日です。
朱雀ちゃんは私たちが部屋に入ると最初は吠えていましたが、
状況が解るとすっかり落ち着き、5日前には下がりっぱなしだったお尻尾が
くるりんと巻いていました^^。



お部屋に出して、向かいの別ケージに入っているお母さん犬と一緒になると
朱雀ちゃんはとても嬉しそうにお母さんにひっついていたのを思い出します。
そして、その10日後に私が朱雀ちゃんを迎えに行き、
譲渡室に残されたお母さん犬でしたが・・・
昨日、優しい預かりさん迎えに来てくれました

(預かり先は決まっていたのですが、引き出しが数日遅くなりました)
私も引き出しに立ち会いましたが、センターの職員さんにしっかりお世話してもらって
健康状態も良く、ますます穏やかな感じでした

お母さん犬は
「小春」ちゃんという優しい性格にぴったりの名前を付けてもらって、
秋田犬の飼育経験が豊富な預かりさんのところでとても可愛がってもらっています♪

小春ちゃんも朱雀ちゃんも、とびきり幸せになろうね~