昨日、センターで検疫中の秋田犬が死にました。
仮の名を千代丸(ちよまる)、来週から我が家でお預かりする予定で
楽しみに待っていました。
先週の木曜日、センターの最終部屋にいた千代丸、
諦めた様子で伏せている姿を検疫室のガラス越しで見ると老犬に見えました。
この日の最終部屋は元気な犬が多かったせいか賑やかでした。
この部屋から検疫する予定の子を選ぶために窓を開けたら
みな「ここから出して~」と精一杯アピール。
その様子に千代丸も窓の側まで寄ってきてくれました。
目はたくさんの目ヤニで汚れ、被毛もボサボサ。
でも、歯は白くてきれいで老犬ではありませんでした。
私たちが千代丸に注目しているのを感じると
千代丸は大きな身体を持ち上げて窓から身を乗り出し
せいいっぱいアピールしてくれました。
お口に手を入れて歯の状態を見てもぜんぜん平気で
とても人懐こい子でした。
職員さんに尋ねてみると、前日に飼い主が持ち込んだとのことで
飼い主の申告によると年齢は7歳でしたが・・・
歯の様子からもう少し若いように感じました。
とても人懐こい千代丸、助けてあげたいけど・・・
私はその日別の大き目のオスの成犬を検疫にかける予定で
同時に大きな成犬のオスを2引きもお預かりすることはとても無理・・・
後ろ髪を引かれながら他のスタッフ達を追って収容棟を後にしました。
外に出てからも気になって気になって・・・
もうひとり千代丸のことをとても気に懸けていたスタッフと相談、
あとさきをあまり考えず収容棟に引き返して千代丸の検疫をお願いしました。
※引き返すと、他支所から移送されてきた子達が最終のお部屋に入っていました。
皆、引き返した私を笑顔で迎えてくれましたが・・・
この子達は翌朝の殺処分になりました。
4日後の今週月曜日、私は別の子の引き出しのお手伝いで
センターに行ったのですが、そのとき、千代丸はとても元気で
検疫室の柵越しに精一杯甘えてくれました。
「また来週ね~!」なんて軽く挨拶して廊下に出た私たちを
柵から頭を出していつまでも見送ってくれた千代丸、
検疫中の犬は必要以外は触らないのが原則なので
甘えてくる千代丸を撫でてあげなかったんですが
こんなことになるんだったら、もう一度引き返して
思い切り撫でてあげればよかったと後悔しています。
感染症にかかったようだと副代表から連絡を受けたのは
その僅か2日後のことでした。
でも、大きな身体でなんとか乗り切ってくれると信じていました。
モカパパや千代丸のことを気に懸けてくれる人たちと
回復を祈っていましたが・・・千代丸は力尽きてしまいました。
下痢と嘔吐で苦しい最期だったと思います。
どんなに望んでも、もう二度と千代丸を撫でてあげることはできなくなりました。
前の飼い主がワクチンさえ打ってくれていれば
感染症にかかることもなかったのです。
千代丸の命をいらないと思った飼い主は、幸せになる筈だった
第二の犬生までも千代丸から取り上げてしまいました。
でも、こんな飼い主でも千代丸は迎えに来てくれるのを
ずっとずっと待っていたのだと思います。
千代丸、さようなら。
大きな身体の千代丸がサークルを壊しては大変!などと要らぬ心配をして
モカパパが注文してくれた予備の品が昨日届いたんだよ。
我が家でゆっくり休んでほしかったけど、それも無理になってしまったね・・・
どうか安らかに眠ってください。
天国でまた会おうね・・・